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スピルバーグ映画の現在的弱点

巧みな演出考える自由奪う      アーロン・ジェロー(イエール大学教授 日本映画史) トランプ政権が報道の自由をおびやかしフェイクニュースが蔓延する中、メディアリテラシーの重要性が高まっている。映画でも、観客が画面の中から何が重要なのかを...

観阿弥 宝生流「通小町(かよいこまち)」

宝生流「通小町」 観阿弥作。「卒塔婆小町」の問答からの展開がとても好きで、「通小町」のあらすじは観劇するまであまりピンと来なかった。タイトルに引きずられ「小町」がシテで「深草少将」がワキと思い込んでいたせいだ。 これは「深草少将」の恨み物語...

佐藤浩市-「64」

とても見ごたえがあった。佐藤浩市は頭抜けている。 永瀬も比類ない。以下、主役級ベテラン俳優陣がそれぞれ本気を出している。 よかった。 ただ、警察組織に対抗するヒステリックな記者達-その中心は瑛太なのだが-は単なる悪役として描かれていた。主人...

シャルル・ボワイエ-「うたかたの恋」(1936)

ヘップバーンのものが有名なようだが、これは1936年版。 ストーリーはシンプルと感じるが、これは悲恋もののスタンダードを形作ったものだからだろう。原題のマイヤーリンクはそもそも元となった「マイヤーリンク事件」から由来する。舞台は栄華を誇った...

松下竜一-「狼煙を見よ」(河出書房新社)

二日で読了。鈴木邦男だったか、連合赤軍事件はのちに天誅組蜂起になぞらえられるだろうとあった。熊野山中を敗走し惨殺されていった天誅組と浅間山中を彷徨した連赤を重ね合わせているのだ。それは新右翼サイドからの連赤に対する意外な指摘だった。ならば、...

pixar-「リメンバーミー」(2018)

異世界に迷い込み、成長課題を果たして帰還する、これは「千と千尋–」ではないか、と最初思った。 面白かった。ここまでアメリカが「ファミリー」に執着するのは、最後の寄る辺としての価値を「血筋」に求めるという「結論」と、逆説的に家族の...

メモ ありふれた営みを圧倒的深みで描き出すこと

描く対象は人間であり生である。そしてどのような人間を、どのような人生を描くか、というテーマの選定が、すでに「事態」と「受け止め」という別物の要素が巧妙に絡み合って混乱を生じさせる。外界の事態に対する内界による受け止めつまり認識の有り様はまさ...

Jクルーゾー -「情婦マノン」(1949)

Jクルーゾー「情婦マノン」(1949) ベネチア映画祭グランプリ作品でそのタイトルはずいぶん目にしていたし、「恐怖の報酬」のクルーゾー監督の作だから期待するなというほうが無理。映画としては「恐怖–」の方がはるかによく物語を作り込...

Jクルーズ -「幌馬車」(1923)

サイレント映画。1923年だから日本はまだ昭和にすら入っていない。大正時代だ。古! 西部史劇の原点とされる。連なる幌馬車の100台の隊列が進むのは砂漠であり、渓谷であり、また雪原だ。そこにさまざまな人間ドラマが織りなされる、行程3200キロ...

松岡茉優 – 「勝手にふるえてろ」

出町座でようやく見ることができた。 よかった。面白かった! 語る言葉が秀逸。僕には100年かかってもこういうものは作れないと思う。 喜劇に憧れる。 喜劇にはすべては込められる。素晴らしい。 フレディは劇団メンソウルの仲田さん。登場するだけで...

ロン・ハワード – 「ビューティフルマインド」

ノーベル賞を受賞した天才数学者の伝記映画と紹介されているが、物語の軸は統合失調症による「幻視次元」と「現実」と間の揺れ動きである。幻聴が言わば単なる空想的な音声でなく、ひとつの統合された人格を持つ見えざる人の語る言葉であるのと同様に、幻視は...

土本典昭 -「パルチザン前史」

あれはいったい何だったんだろう。 思わず心で何度もそうつぶやいてしまう過去の出来事。 連なる日々、いわばその時代。 ドキュメンタリー映画「パルチザン前史」をAMAZONで購入した。 以前、VHSで所有していたが、かなり前にヤフオクで売り飛ば...

D・チャゼル -「セッション」

師弟関係がテーマということになるのだろう。或いはほぼ同義だが、成功に憑かれた青年のその特殊な技能習得のための過酷な道筋、とでも。 助演男優賞などアカデミー部門賞に輝いている。映画館で予告編を観たため記憶に残っていた。物語にはさすがに引き込ま...

オーソンウェルズ -「市民ケーン」

「市民ケーン」 名画として評価はとても高いが、正直言ってあまりピンとこない。以前冒頭で観るのをやめてしまったこともあった。NHK「映像の世紀プレミアム」で映画のモデルとなった新聞王ハーストについてその権勢がこれでもかと描かれた。映画では葛藤...

なぜ私たちでなくてあなたが?

運命とすれすれに生きているあなたよ のがれようとて放さぬその鉄の手に 朝も昼も夜もつかまえられて 十年、二十年、と生きてきたあなたよ なぜ私たちでなくてあなたが? あなたは代って下さったのだ 代って人としてあらゆるものを奪われ 地獄の責苦を...

P・アルモドバル -「All About My Mother」(1999)

All About My Mother(1999) スペイン映画。愛する息子を不慮の事故で亡くしたシングルマザーが人生の再生へ向かう叙事詩。こう書いて間違いではないが、それではやはり物語としてはつまらなそう。全然違う。昔の親友に会いに行った...

溝口健二 -「雨月物語」@ 出町座

出町座は出町の桝形商店街を河原町側から入ってすぐ、その角に出町座の表示が目立つ。一階は味のあるセレクトの書籍群が並ぶカフェ。階段の上り口にチケットの自販機があり、その脇の机でスタッフの広げる紙に50席がプリントアウトされている。席を選ぶ。二...

出町座

出町にミニシアターができた、らしい。 とてもうれしい。出町は来世でも思い出すのではないかと思うほど僕の人生に深く刻まれその印象は鮮烈だ。 ラインナップを見ると、他のミニシアターでも行っている大映女優シリーズを特別に連続上映している。なんと溝...

カポーティ

カポーティを読んだ。 短編を三つ読んだだけなのに、翌日になってもそのキリキリとした余韻が残った。 余韻と言うと穏やか過ぎる。 それは絡みつき心の芯まで蝕む酷くたちの悪い廃疾のような、寂寥だ。 こんな凍えるような寂寞を物語に感じたことはあった...

「50歳のソビエト」

「50歳のソビエト」これは1967年のNHK特集番組のタイトルだ。1917年ロシア革命から50年、だから50歳のソビエト。担任だった社会科教師がそう話してくれたのを覚えている。当時、小学校6年生。12歳のときだ。 昨年が2017年。すでにソ...

「ニューシネマパラダイス」「タイタニック」

正月休み、BSで黒澤映画特集などあったが、結局観ることできなかった。観たのは2作品だけ。「ニューシネマパラダイス」は字幕版。これは封切り時、仕事の帰り京都の映画館で観た。遥か昔だ。 いい映画。当たり前だ。言うまでもない。構成は驚くほどオーソ...

「おいしい生活」「猪鹿お蝶」「十九歳の地図」「どっこい生きてる」「聖母観音大菩薩」

「おいしい生活」 主人公はウッディアレン演ずる自称天才でその実間抜けな元詐欺師。妻は元ストリッパ。阿呆なムショ仲間達とのやりとりが愉快。 良質な寓話ファンタジー。 物語の顛末は陳腐と言えば陳腐。なのに観た後、まさにおいしいお菓子を食べた手頃...

敗北をなぜ描かない

なぜ敗北を描かない。 それがスターウォーズを観てもっとも強く思った感想であり疑問。いや、はっきり言えば抗議だ。 圧倒的な力に対する非力な絶望的殲滅戦。バダバタと倒れ虫けらのようにあっけなく命潰えていく同志。昨日まで一緒に語り歩き走っていたの...

Jim O’Rourke

ジムオルークを知ったのは、大友良英がカバーしている「ユリイカ」を通してだ。 そもそも大友良英を初めて聞いたのは、3.11後福島コンサートのユーチューブ映像だ。坂本龍一も出演している大掛かりなライブ。大友のギター一本のノイズには衝撃を受けた。...

古本購入

久しぶりに町の古書店に行った。 中公新書「世界の名著」「日本の名著」は良書。同名の箱入りシリーズ本も素晴らしいが、これはそれぞれの書を名だたる執筆陣(当時は若手精鋭)が数ページにまとめたすぐれもの。基本的な前提として若い時分にさらっておくべ...

ベルトリッチ「暗殺の森」

カラー映画は軽すぎて観る気が失せる。だが、やはりヨーロッパ映画は色が深く、カラーでも空虚ではない。 とても面白かった。 時間系が交錯するので、物語をつかむまではただただ映像場面を受け止めるだけだ。それなのに画面に飽きない。知らずいつの間にか...

「清経」 京都大学観世能

第23回京都大学観世能 (観世会館) 前々日金剛能楽堂で同じく京大の能楽部である金剛会宝生会等演じる能「鉄輪」を観た。実は目を疑う失敗を舞台上に目撃し、やはり学生の趣味であれば期待は酷と納得し、もっぱら能楽師による囃子を楽しんだ。 だからさ...

「鉄輪(かなわ)」金剛能楽堂

「鉄輪(かなわ)」金剛能楽堂 シテ、地謡が京大生(京大金剛会)。 シテは女子であった。 目当ては囃子、ワキ、ワキツレ。 久しぶりに、能楽堂に響く囃子を味わう。 突然に耳をつんざく笛の高音で始まるパタン。いい。 ずっと観たかった演目。 帰宅後...

鉄輪(かなわ)

鉄輪(かなわ) 〈狂言 口明〉  シテ 日も数そひて恋衣。日も数そひて恋衣。貴船の宮に参らん。げにや蜘蛛の糸に荒れたる駒はつなぐとも。ふた道かくる徒人を頼まじとこそ思いしに。人の偽り末知らで契り初めけん悔しさもただ我からの心かな。あまり思う...

2017/9/17-2017/11/12 印象に残った作品

2017/9/17-2017/11/12 《映画》 〇ナミヤ食堂の奇跡(東野圭吾、山田涼介、尾野真千子) 〇バリーシールズ(トムクルーズ) ◎ドントルックバック(ボブディラン、アランプライス、ドノバン) ◎天国と地獄(黒澤明、三船敏郎、仲代...

勝手だろ、何で書こうと。

僕がスマホで小説を書いていると言うと、目を見張って驚かれることがよくある。どうしてなのだろう。 原稿用紙なら驚かないのか。せめてノートパソコンならいいのか。 なぜ、ノートパソコンで書かないのか。 簡単だ。持ってないから。 それに。 歩きなが...

二稿了

ふう。 昨夜、シナリオ第二稿、了。 大幅にカットできるかなと思っていたが、初稿のいちいちが平板で単純な繰り返しに見えてきて、どんどんねじったり違う要素加えたりするうちに、長くなってしまった。 しかし、まだ数時間を置かないと、突き放して見るこ...

「酔いどれ天使」「飢餓海峡」

小説と異なり、脚本はそれだけで完結しない。映画となるためには、キャストが必要だし、演出、撮影に監督が登場して初めて成立する。 だからどこかで自らリミッターをかけていた。しかしここの投稿書きながら、「全体としての脚本」に目覚めることができた。...

「霧の波止場」

霧の波止場 1938 マルセカルネ 波止場という言葉の響きに気取った気恥ずかしさを感じてしまうのは、マイトガイ小林旭を知っているジジイの証明。これは「埠頭」とでも置き換えたい。 で、ストーリーが始まりすぐにわかった。今で言う「中二病」映画。...

脚本という全体

先日監督からの講評で気になったのは、物語がきちんと受け手に伝わるかどうかの判断のことだ。物語がついくどくなったり、説明過剰になるのは、受け手が話を理解しているかどうか、作り手側が心配になるためだ。 講評の際、説明的な言葉が余計ではないかとい...

シナリオ

中島監督と谷さんにシナリオ作品の講評をいただいた。やはり、その指摘の一つ一つがとても心地よく響く。言われてなるほどと合点がいく。僕の作品の弱点にすべてかかわっているからだ。大概はすでに弱点と意識しつつ手に負えず先送りした部分であるが、言われ...

9月

バイトの帰り、山科駅近くの古本屋で吉行淳之介の短編集を買った。中期以降の話題作より、初期娼婦ものや何気ない短編がやはり好きだ。吉行の何が好きなのだろうか。 文体がいい。重すぎず簡潔で、乾いた透明感がある。これは文体だけでなく、吉行の物語に激...

ストーリーと雰囲気 ~「アメリ」

「アメリ」のこと書かなきゃ、とずっと思っている。 タイトルはもちろんずっと知っている。タイトル以上に、あのショートボブの少女がいたずらっぽく上目遣いでこちらを見ている、あのポスターの印象深さはない。 しかし、徹頭徹尾女性向けの映画だと受け止...

映画シナリオ

東京から帰ってきた日の夜中にシナリオ書き上げ、それから奇妙な虚ろがまとわりついている。不快ではない。事後の空洞は興奮の脱落ゆえの無音。寝ても回復しない睡眠不足のようなものだ。 日曜に監督から講評をいただく。結部分の構成が乱雑だったのが気がか...

劇団男魂「航路」 公演終了!

劇団男魂の「航路」公演が終わった。 文字どおり感無量だ。 三日間連続で観劇したのだが、簡単に言葉が出ない。ただ月並みに、素晴らしかった、ありがとうございます、と繰り返するばかりだ。 ああ、何より、もうあの舞台を見ることはできないのかと思うと...

劇団 男魂(メンソウル)

「航路」という題は、実はシリーズ連作とするつもりでつけたタイトル。だからあの三部作そのものを「航路」と呼ぶとき、ちょっとした違和感が最初あった。少したいそうな気がして。 しかし人の口から「航路」となめらかに語られるのを聞くうちに、これはこれ...

「ペンで闘う」

もう何十年も前のことだが、僕が高校四年生の時のこと。新聞部の友人Yが高校文化祭で内密理に特別展示を準備していた。僕らの友人が犯した殺人事件についてのパネル展示だ。タブーとされていることに反発し、事件は僕ら自身の問題だ、と語り合っていた。開放...

運命のひとひねり

BobDylan の 「運命のひとひねり」 短編小説のような、あるいは長い叙事詩の短い一節のような、もの語り。 これは男と女の話だけれど、生きているうえでのもろもろは、こうした「運命のちょっとしたねじれ」だ、大概は。 Simple Twis...

「航路」

「感動ポルノ」という言葉がある。簡単に言えば、消費される感動、ということだ。 スポーツで汗を流すように、感動で涙を流し「すっきり」する。「泣ける」と銘打って広告しているものは大概がそうである。泣いてすっきりして、たとえば映画なら、映画館を出...

「航路」公演、いよいよ

いよいよ「航路」公演が来週だ。待ち遠しくもあり、そして不安に似た興奮が胸に沁みる。これを短く「ワクワクドキドキ」というわけだ。 場所は東京中野のザポケット。 初日が23日の水曜日、千秋楽が27日の日曜日。全公演を観たいくらいだ。 マジで。 ...

物語は現実に奉仕する

以前、或る映画を見て酷く不快な気分になったことがある。 それは犯罪加害者の家族が、そのために受ける仕打ちを描いた作品だ。北米の国際映画祭で賞を受賞している。 主役は名の通った十代のテレビ女優。加害者の妹であるその少女を守る刑事の役が佐藤浩市...

映画「羅生門」

黒澤の「羅生門」を連日4回も観た。 なぜ4回も?途中で寝てしまったから。 途中で寝てしまうくらいなら面白くなかったんだろうとなるが、そうでもない。最後まで見届けなかったのが悔しくてもう一度、もう一度と繰り返したということ。 相変わらず黒澤映...

Je t’aime

耳について離れない歌の一節というものがある。例えば耳馴染んだCMソングだったり、ときには歌そのものを思い出せないメロディの切れっ端だったり、短いイントロやジングルということもある。 で、このところ気づくと脳内再生されているのが、「シェルブー...

身体表現と言葉

身体表現。 言葉にならないものを描く。 言葉は言葉にならないもののためにある。 物語は言葉にならないもののために。

痛みへの畏敬

劇団男魂(メンソウル)の「航路」公演、見て欲しいのだが、東京はやはり遠い。 それでも、観て欲しい。生の舞台で。 歯噛みする。 ▲ the sage / EL&P

舞台稽古

劇団メンソウル公演「航路」舞台稽古にお邪魔させていただいた。 きちんと言葉でその体験を表現するには、まだもう少しだけ時間が必要。 ただ言えるのはその出会いのおかげで、私自身が大切な原点に帰らせていただけたということ。 私はなぜ書くのか。 そ...

「アルジェの戦い」「総長の首」

「パイレーツオブカリビアン 最後の海賊」と「メアリと魔女の花」を見た。特にこれといった感想はない。 で、借りて観た映画「アルジェの戦い」「総長の首」について。あと黒澤の「羅生門」を連日3回続けて観たが、これはまた別に書く。 「アルジェの戦い...

シナリオ講座

中島貞夫監督のシナリオ塾が今年も始まった。 先日、映画脚本の企画案について監督から個人指導があった。全体について評価していただきうれしく思ったのだが、それよりもストーリーの内容、構成について具体的な指摘やアドバイスがあり、とても参考になった...

舞台

今月末の「航路」舞台公演が近づいてきた。私は原作提供に過ぎないが、それでもやはり静かな興奮を覚える。 私はもともと小劇場など舞台に馴染みがとんと薄い。先月、劇団メンソウルの杉本座長が演出された劇を観たのが、初体験と言っていい。 その劇はMA...

「安達ヶ原」

能「安達ヶ原」を見た。 以前に動画サイトで全編を見たのだが、やはり能は生舞台だ。静寂を破る笛の悲鳴のような響きに地鳴りのような謡、そして押し寄せ畳み掛けるような鼓、小鼓、太鼓の脈動に覆いかぶさる叫び喘ぎ怒声じみた囃子。すり足を軽く浮かせて舞...

浄土

たとえば、能の囃子方の唸り声の響きであるとか、人間の業の深さをそのままに伝えるが、ここで言う「人間の業」という不幸は、現世この世界においての「不幸」ということである。 マルクスは宗教はアヘンであると述べたが、それは、死後の幸福を約束すること...

憤怒寂寞虚無の森を抜け

憤怒寂寞虚無の森を抜け 使命の丘を疾駆する おびただしい人々の群れ 銃弾で頭蓋射抜かれ なにごとか腹部押さえ 膝から崩れるように倒れ行く 使命半ばの末期の群れ それでも土煙り上げ 使命の丘陵を登りくだり 全力で疾駆する 魂たちの群れ 全裸で...

岩波文庫の古い文様デザインには癒される

ペラペラめくるだけのものとじっくり読みたいもの。 つい買ってしまった。 山科からの帰路、電車の中でも、降りてからもずっと、歩きながら家に着くまで「忘れられた日本人」読んでいた。 実に面白い。興味深い。 宮本常一はいい。 ユダヤ人問題読んでい...

草津市シネマ塾

今期の中島貞夫監督シネマ塾案内が来た。 表彰式のときに監督がおっしゃっていたように初級と中級に分かれている。 しかし、中級のための講義は一回のみだ。あとは監督からの直接指導一回。それで12,000円か、うーん。 仕方ない。 リアルに脚本の映...

能楽「安達原」

久しぶりに能が堪能できる。 演目はぜひ一度生の舞台で観たいと思っていた「安達ヶ原」。 なんとも楽しみ! 一昨年だったか、この能登川能、前売り券が完売で当日券の販売がなくて観ることが叶わなかった。 今回は会場まで出向き、きちんと前売り券を入手...

イイネ!

WAIT for it.Chris Quashie on bass.Kiki Nakajima comes out of nowhere & KILLS it on the sax. Missed my train, SO wort...

越境の自由

僕の大好きな人たちが安倍総理や稲田大臣を敬愛していることもあれば、僕が人間的にどうしても反発を感じる人が安倍政治を許すな!と声をあげていたりする。だから、反感抱く人と一緒にデモを歩き、一緒に笑い合いたい人と対立の立場になったりする。これは仕...

ノイズ

言葉にならない思いを言葉であらわすとは、一旦言葉の「意味」を解体して「象徴」として表出しなおさねばならず、その道筋として妥協点は「隠喩」だ。 能における鼓や笛、特に鼓奏者の発声に惹かれるのは、音階による作り物臭さから自由で、風など「物音」に...

意味とか価値とか

僕にとって、ということだ。 意味であるとか、価値であるとか。 つまり、大切さであり、心動かし行動や選択を左右しときに支配さえする重大なこと。 それらはいつも、僕にとって、ということだ。 だから、僕以外にとってはまったく違ってしまう。 まだ小...

草津市長賞受賞

本日、中島貞夫監督市民シナリオ塾の表彰式。めでたく市長賞を受賞。 しかし残念ながら、映画化ならず。映像化は草津地元で地域活動をしている方(特別賞)の作品。 しかし考えてみれば、行政による草津市アピールのための企画なので、大津市民である僕が受...

表彰式

来週土曜の草津中島貞夫監督シナリオ塾表彰式のことで草津市役所から電話。 優秀作を映像化という話だったが、市から予算がまわるかもしれない。などとつい皮算用してしまう。また自分の描いた物語を映像で見る至福を味わいたい。そしてできるなら、映画の製...

小さな地元の博物館

高月観音の里歴史民族資料館 浅井歴史民族資料館 愛荘町立歴史文化博物館 小さな地元の博物館がとてもいい。

厳島神社能

NHKで厳島神社能。「羽衣」「高砂」。久しぶりに鼓の囃子を楽しんだ。去年、大阪の公園で満開の桜の下演じられた「高砂」の方が囃子に迫力があった。   

市長賞

中島貞夫監督のシナリオ塾、市長賞いただけるようです。 優秀作は映画化の可能性も予定されていたので、映像化されたらうれしいです。

内なる混沌~村上春樹

「 僕が思うに、混沌というものは誰の心にも存在するものです。僕の中にもありますし、あなたの中にもあります。いちいち実生活のレベルで具体的に、目に見えるようなかたちで、外に向かって示さなくてはならないという類のものではありません。「ほら、俺の...

「砂の器」

「砂の器」を観てきた。 今年最後の「午前10時の映画祭」だ。 やはりスクリーンで観るのはいい。 昭和10年代の山村の橋がコンクリートであったり、道が舗装されていたりといった若干興ざめの部分があるが、これは制作センスの問題ではなく、単純に予算...

STAR WARS「ローグワン」の特攻機?

昨日は若い友人と今年最後のデート。「ローグワン」スターウオーズ外伝。見ていてふと、戦闘機に操縦者の脱出装置がついていないのに気がついた。これでは墜落する飛行機もろとも全員即死ではないか。 帰り際、今年一年お疲れさまと握手。 今日は能登川の図...

「この世界の片隅に」

「この世界の片隅に」ようやく観た。 滋賀県で唯一上映している近江八幡まで出かけた。 良かった。 でもどうしてか、何も語る言葉は今はそれほどない。 もう少し時間おきたい。 やはり、人の営みは尊い。

あと十日

家は寒い。 外も寒いが、家も寒い。 夏も子供達が帰ってくるまでエアコン使用しなかったが、 冬もこのまま年末子供らが帰省するまで、エアコン暖房は使わないだろう。 炬燵のある居間はいい。暖房のない自室は冷蔵庫だ。 指先の空いた手袋は必需品。これ...

「さよなら渓谷」

「さよなら渓谷」 同じ原作吉田修一の「悪人」が、妻夫木の薄い演技のせいで深津えり頑張っても伝わるもの少なかったので、設定倒れかもと思いながら見たが、見てよかった。とてもいい映画だった。 とてつもなく、いい映画だった。

1日フリーチケット

当直の帰り、夜の山科地下鉄椥辻駅。 地下鉄の切符売り場で知らないオバちゃんに1日フリーチケットもろた。「もう乗らへんさかい」 そう言えば何年か前、大阪地下鉄谷町四丁目でも知らんにいちゃんにフリーチケットもろた。 あげたことないので、2回もも...

「七人の侍」

「七人の侍」見てきた。先々週の初日にも見たので2回目。 初回は一人でなかったので、画面の見違えるような美しさに目を見張りつつ映画を楽しんだ。 2回目の今日は仕事として見た。 映画として編集される前にさかのぼって見る。音楽のない状態、カメラで...

脚本家脳

制作脳を小説モードからシナリオモードに移す。 この三冊はとてもいい。 先日、脚本家の谷さんと話していたときのこと。どうしても脚本書いているとき、この施設は代替できるかとか、撮影可能か、こんなたくさんのエキストラは費用がかさむ、とか制作コスト...

新藤兼人「シナリオの話」

購入。 新藤兼人の「シナリオの話」現代教養文庫。 キネマ旬報4冊。 キネマ旬報にシナリオが掲載されているとは知らなかった。できるだけたくさんの脚本を読みたいのだが、図書館でも山田洋次、倉本聰に黒澤ばかりで、おまけに月刊シナリオはどこにも売っ...

信楽・陶芸の森

先週の日曜、信楽に行って来ました。 陶芸の森で、火鉢の約9割が信楽焼であったと知った。 火鉢の重量感、どこかユーモラスなフォルム、ツルツルの表面、もう今は無くなって、記憶の中だけの残像。 例えば小説に火鉢のことを書いても、若い世代にはイメー...

「高校大パニック」・・・

昨日遅くまでDVDを見ていた。「高校大パニック」石井総互「花と蛇」杉本彩「世界革命戦争宣言」若松孝二。 構想のための刺激としての悪あがき。今日、大体骨組み出来てきた。あともう少し。明後日には書き出す。 三本の中では「高校〜」が群を抜いて刺激...

「生きる」

昨日、黒澤の「生きる」見ました。 やはり、死ぬまで生きることだと再納得。

南紀

紀伊半島を西側南下し、東側を北上して一周。 日ノ御埼灯台、潮岬灯台、樫野埼灯台を巡った。 やはり南紀は愛しい。 僕が育った九州の東シナ海では、この海の向こうは中国であり、アジア。和歌山の太平洋は高知の海と同じで、アメリカに向いている。青い。...

「無法松の一生」

先週、また能登川の図書館に行った。 金のない友人と僕に図書館は優しい。 しかし能登川図書館は本当に居心地よい。 今まで行った図書館の中で一番だ。 おまけに集会ホールで映画を上映していた。 「無法松の一生」 遥か昔、子供の頃に見て以来だ。 三...

「君の名は。」

君の名は。見ました。 素晴らしかった。 キーは「忘れ去ってしまう悲しみ」「どうしてもはっきりと思い出すことができない何か」「その名前」 劇中繰り返される言葉、「忘れたくないこと、忘れてはならないこと、忘れるべきではないこと」 魂の深層を揺さ...

弓道大会

今日は若い友人と弓道大会の見学。出場していた居合師範とたくさん話もできた。 そして帰りは歩いた。 弓道場のある武道センターは平安神宮の北側。そこから山科駅まで。 距離は6キロ足らずだが、京都を知っている人なら徒歩は考えられない随分な距離感だ...

回想シーン~市民シナリオ塾

中島貞夫監督の市民シナリオ塾、本日講義最終日。 能「善知鳥」とバッティングしたため前回欠席したが、お願いしていた講義の詳しいサマリーと資料がちゃんと用意されていた。感謝。 今日は構想深め、監督への質問形式。 だいたいのあらすじはできていた。...

シナリオ起こし

昨日市民シナリオ塾第2回 教材として「スタンドバイミー」のダイジェストを見たのだが、そのときふとヒラメいた。出来上がった映像から、もとのシナリオを書き起こせば、つかめるのではないか。 以前編集事務所に入った際、最初テープ起こしの次にしたのは...

「欲望という名の電車」「シンゴジラ」・・・

続けざま何本も見た。 良かったのは「アラバマ物語」「欲望という名の電車」そして「シンゴジラ」。 「風とともに去りぬ」も初めて見たが、名画と期待したのにどこがいいのかさっぱりわからなかった。 「シンゴジラ」感想は「面白かった」。最初のボート捜...

シナリオ塾in草津

中島貞夫シナリオ塾in草津 第1回は中島監督自身による講義。 映画の誕生から日本への移入、生き生きとした動作とリアリズム、マキノ省三による日本映画の形成におけるシナリオの確立。「良いシナリオから必ず良い映画が生まれるとは限らないが、良い映画...