南相馬
おびただしい除染土のトン袋の集積場、あちらこちらに。
常磐自動車道には放射線量の電光掲示板が幾ヶ所も。
仮設住宅。
ボランティアセンターの小高区は福島第一原発20キロ圏内の旧警戒区域(立入禁止)で、避難指示区域の解除から市民の全帰還を目指している。
テレビでは天気の予報に続いて放射線量が報じられる。
何も終わってなどいない。事故被災を抱え続け、それを生活として生き続けておられる。黙して。
遠くあって、地震津波被災、原発爆発被災は圧倒的に終わったことにされている。ことさら感動ポルノとして取り上げるくらいのメンタリティしかない。
被害は消えないし、忘れようもない跡を残す。
知ること。わかること。分かり得ないと思い知ること。無力にひしがれること。分かち合うこと。分かち合えないと思い知ること。無力にひしがれること。そこにしか道はないように思える。その無力を抱え続けること。
罵声の暗い情念がとぐろを巻く争闘の町を抜け、私は何度でも南相馬を思い、そして訪れたい。何度でも。