Happy Christmas

まもなくクリスマスだ。
そう思っても、何か華やぎ浮き立つ心持ちからは遠い。それはただ私の心情だけでなく、街角や店先にもクリスマスぽさが薄い気がする。気温のせいもあるかもしれない。白い息とポインセチアの緑と赤。クリスマスソング。それはやはり人々や国を覆う空気であり、世界から届く知らせすら寒々として荒涼たる毛羽立った気配だ。
先日、劇映像の上映会を開いた。小さな集まりだが、心寄せる人たちが足を運んでくださった。二日目は不手際で迷惑をかけたにもかかわらず、終了後に撤収のための設営まで沢山の人に手伝っていただいた。申し訳ないこと、この上ない。そして、一昨日は私の敬愛する人たちが私を呼んでくださり、一緒にもつ鍋をつついた。そこで聞いた話はとても心動かされた。
ああ、やっぱり僕はまだまだ何も知らないんだな。そう思っていた。
上映会を思い立ってからたったの2週間だが、まさに怒涛の日々。心は外に向いていた。久しぶりだ。こんなに人に出会ったのは。
「心が冷えたら、遭いにいこう/心が温もったら、たたかいにいこう」
これは吉本の詩の一節だが、存分に心は温もった。僕のたたかいは書くことだから、書きに行こう。そう思うのである。
また、夜の森のようなあの深い場所に行こう。あのあばら家が私の書く住処。小さなスピーカーを机に置こう。子供たちと一緒に男と女が歌う幸せなクリスマスを祈る叫びの歌。聴きながら、書こう。
if you want it.