スピルバーグ – 「レディ・プレイヤー1」2018
面白かった。
2012年だったと思うが、若い友人から「ソードアートオンライン」というとても面白いアニメがあると聞いた。さらに聞くと、それは「ゲーム世界の中での物語」らしいことだけは理解できたが、それ以上に何も理解できずつくづく年齢を感じた。
そもそもポケットモンスターが出てきたとき、96年頃だろうか、娘たちが夢中になっているそのゲーム自体もよく理解できず、またアニメになるとすっかり混乱した。これは現代のどこか知らない国なのか、あるいは遠い宇宙のある星なのか、それとも未来世界なのか、はては空想世界なのか、とても困惑したのを覚えている。さらに言えば、宮崎駿の「ラピュタ」も最初に観たとき、同じように戸惑った。これはヨーロッパらしいが、現代なのか、過去なのか。そういう「設定」なしに受け止められる新しい人たちの感性をうらやましく思った。そして僕はたいがいのそうした世界を「パラレルワールド」における物語だと理解した。そう受け止めればすんなりと入り込み、楽しめた。
しかし、「ソードアート–」はそういうわけにいかない。お手上げだった。以降、同様にゲームのヴァーチャルワールドとリアルワールドのリンクを舞台とした作品についてよく耳にしたが、敬遠した。「マトリックス」などは「ゲーム」を介在としないだけでずいぶんと受け止めやすかった。
「レディプレイヤー1」はあらすじの説明から、同様の「現実世界」とリンクしている「ゲーム世界」での物語とわかった。しかし、スピルバーグの作品なのできっとわかりいいだろうと期待した。案の定、鮮やかだった。
オタクボーイが少女と出会いヒーローになるというお決まりの筋立てだが、コミュ障オタクへの愛情が全編みなぎっていて楽しめた。「パシフィックリム」と同様、特殊スーツを装着して、自分の肢体の動きがキャラクターにそのまま反映される。いわば、キャラクターが「肉体」である。この倒錯は興味深い。また「パシフィック–」同様、日本へのサービスがふんだんである。なんかあざとくて安っぽい気もしたが、中国ならともかく日本に媚びてもなんの得もないだろうし、単純に「好き」なのだろうな、と思った。
こういう「娯楽」映画、年寄料金¥1,100で見られるなら安いもの、と思ってきたが、なんと¥1,400に値上がり!一般料金も¥1,800から¥2,100に上昇。この値上げは痛い!
見たい映画が目白押し(地獄の黙示録、ラストワルツ、–)なので、憤然。
映画中「ev’rybody wants to rule the world」が流れたのが嬉しかったが、それよりも予告編で見た「オーシャンズ8」サンドラブロック主演でめっちゃ見たいと思ったのだが、そのBGMはナンシーシナトラの「These Boots Are Made for Walkin」だった!あのintroが流れてぶったまげてしまった。これは必ず見なければ。
追記 値上げではなかった。3D映画だったから普段より高額だっただけ。よかった ^ ^;