「霧の波止場」
霧の波止場 1938 マルセカルネ
波止場という言葉の響きに気取った気恥ずかしさを感じてしまうのは、マイトガイ小林旭を知っているジジイの証明。これは「埠頭」とでも置き換えたい。
で、ストーリーが始まりすぐにわかった。今で言う「中二病」映画。詩のような台詞まわしにエキセントリックな登場人物たち。厭戦脱走兵、売れない画家、放浪者、野良犬、クラシック音楽愛好の殺人者、養父からの性暴行に苦しむ美少女、良家出身のチンピラ。でも「中二病」実は嫌いではない。
お決まりの悲劇的結末。「天井桟敷の人々」「北ホテル」のMカルネの作品だが「詩的リアリズム」と評されているとか。恥ずかしいのは邦題だけでなかった。でも、砂糖ウォッカ。還暦ジジイは悪酔いしそう。
そう、なるほどタケシの映画がフランスでもてはやされるのも合点が行く。この破滅による終結は定番。タケシの「ソナチネ」や「HANABI」。うん、まさに。
「フランス人は中二病」ww
いいコピーだ。