シナリオ講座
中島貞夫監督のシナリオ塾が今年も始まった。
先日、映画脚本の企画案について監督から個人指導があった。全体について評価していただきうれしく思ったのだが、それよりもストーリーの内容、構成について具体的な指摘やアドバイスがあり、とても参考になったのだ。最上級にありがたくうれしかった。
昨年の塾で短編映画脚本で賞をもらった際に監督と話をした。私が新藤兼人のシナリオ本など読み驚きだったのは、彼らが若手の頃は、脚本家の先輩筋からこれでもかと書き直しを命ぜられそのダメ出しの中で鍛えられ、技術能力が鍛えられ向上してきたというくだり。とても驚き、また憧れも感じた。確かに文章については編集事務所で散々に鍛えられたが、それは技術的なことだ。創造についてはそういう経験は乏しい。小説で賞をいただき始めて作家と呼ばれる人たちに出会ったとき、批評に揉まれながら創作する必要について尋ねてみたが、口を揃えてあなたは今まで通り一人で書いて行ったら良いと言われた。そのため小説を書くとき、私はまったく孤独だし、また誰か他人の意見など「絶対に」聞きたくないままだ。サポートしてくれる編集者も、ほとんど放し飼い。その執筆プロセスの違いに対する驚きを監督に話した。監督はうれしそうに、脚本は叩かれて叩かれて良くなる、とおっしゃる。様々具体的な指導を受けて脚本を仕上げることができれば、是非挑戦したいと私は述べた。小説ではごめんこうむるが、脚本だとそれがいいと自分で思えたからだ。監督は次年度は初心者と経験者を分け、経験者にみっちり指導したいとそのときおっしゃった。今年のシナリオ塾は、実際そのとおりになった。
企画書とは言っても、実際には原稿用紙10枚分のシーン割とセリフなど粗い言わば元シナリオ。監督と講師の脚本家谷さんから個別に直接アドバイス。指摘がいちいち合点行くのである。その部分をどうするかは私の力次第なのだが、明らかにその部分を指摘どおりに改変すればもっとずっと良くなる。それがよく納得できる。得した気分。あとは自分の腕次第だ。
だいたい(台本用200字詰で)200枚超えるになるかなと思っていたのだが、監督の見立ても同じ200枚だったので、これもさすがだなとうなった。
400字100枚ならひと月あれば十分と思うが、さてどうなるか。
昨年は作品講評の際に監督から「この脚本を映像化したものを僕も見てみたい」とまで言って下さったので実は映画化を期待した。そして市長賞をいただいたが、映画化については草津市で地域活動を続けている方に草津市の魅力発信を、ということになった。ちょっと残念。しかし行政が金を出すのはやはりそうした映画なのだなと納得した。だから、今年は自作脚本の映画化はまったく期待しない。脚本の長さなど気にせず、地元テーマなど行政の思惑にこだわらず、という監督の意向通り思い切り書いてみることにした。
自分で作品が楽しみでもあるのだが、そろそろ書き進めねばならない時期でありうかうかしてはおれないところ。
ちょっと自分で尻を叩かねば。