「面白能楽館」
「面白能楽館」、最高でした!
日頃能楽に関心のない人に多く開かれた年に一度の盛り沢山のイベント。
名前は前からよく知っていたが、京都観世会館に初入館。初めての能楽堂です。結論は大満足、さらにお釣りがくるほど面白かった!
まる五時間、能を味わいつくしました。
派手な演目、「舎利」と「土蜘蛛」をフルライブで鑑賞。おまけに一度限りの京都観世会館オリジナル能「百鬼夜行」まで見られた。
前から二列目のいちばん端だったので、土蜘蛛の蜘蛛の巣投げが再々こちらめがけて飛んでくる。いやあ、良かった。
セリフまわしはもともとの読経や祈りと同じ大地や世界の向こう側と共振する響き。謡いも物語の状況を語りそのまま強調するバックコーラス。そして僕が惚れ惚れとするのは大鼓、小鼓。音色音階響きが変化しながら縦横無尽のリズムでストーリーを盛り上げるし、最高にすごいのはあの声。いや〜、ほ〜、ほっ、よ〜。なんと言うのだろう。ジミヘンのフィードバックのように裏返り、また西洋音楽のようにドレミの音階の区切りがないボトルネックのような調べ。エマーソンや大友のノイズ音楽に近い印象。そして鼓はポンでもトンでもない、「カン!」という乾いた音が最高。つまり、美しい人工的な音楽でなく、言わば「美しい『物音』」だ。笛だって、風のようだ。西洋音楽のメロディライン、楽器演奏とはすっかり違い、自然界の音を人が表わそうとしているかのよう。うん、「物音」なのだ。絶妙の間や畳み掛け、掛け合いで押しては返し、凪いでいたかと思うと荒れ狂う、かん!トン!それにいや〜〜、や〜、ほっ、ほ〜〜と重なる。すごい!
その物語にグイグイ引き込まれ、手に汗握る。最高でした。
「舎利」は敬愛する釈迦の遺骨つまり舎利を人間になりすまして盗んだ鬼を追いかけ、元はバラモンの神韋駄天が天界に追いかけ取り返すスペクタクル。
「土蜘蛛」は将軍頼光を襲った蜘蛛の化け物、これも人間になりすまして襲いかかる、を武者が成敗に出かけるアクションもの。
初心者でも楽しめる演目ということで満喫した。
ああ、こうなるとやはり「隅田川」や「葵上」それに「綾鼓」など現世忍土に翻弄される人間の心の悲しみ絶望を描いた演目を是非能舞台で見たい。
これは見たいという演目なら遠くまで出かけてでも見たいということなのだ。一回生起の生舞台なのだから映画料金並みにというのはどだい無理な話。今回は特別3000円だったが、やはりせめて3000〜4000円で見られたらなと思う。水曜日の薪能は演目をもう一度調べたい。平安神宮なので遠くからしか見られないなら雰囲気味わえないのではと不安。たくさんパンフレットかすめてきたのでじっくり検討。
友人も満足。帰りは丸太町の武道具屋に寄ってから加茂川べりを歩き三条を蹴上まで歩いた。乗り換えの山科で降りたら、友人のお母さんとばったり合流。本当に久しぶり、お母さんも一緒に三人でご飯を食べた。
夜はグループワークに一時間遅刻して参加。帰ったら「ジュラシックワールド」wwwを見て寝た。
充実した1日でした。\(^o^)/